クイズの答え<皐 月〜(上)>


「茶の湯よもやま話」Aより


@  天下三舟(さんしゅう)という大名物の 釣花入を見た事ありますか?
  
   <答え>
    下の写真(3種)
淡路屋舟(あわじやぶね)
大名物 砂張
三ケ月型釣花入
堺の商人淡路屋宋和所持
針屋舟(はりやぶね)
大名物 砂張
三ケ月型釣花入
畠山記念館蔵
松本舟(まつもとぶね)
大名物 砂張    三ケ月型釣花入    松本珠報所持
A  これ又洒落っぽい名称 「火計り」って???
  <答え>
   土と釉薬が朝鮮で焼かれたのが日本という意
   文禄慶長の役頃、朝鮮の陶工が持ってきた陶土や釉薬を用いて焼いた
   為、その頃の唐津や薩摩(帖佐)に見られる。 朝鮮へ出陣した諸侯が
   積荷が軽く成った帰路の船に陶土を積んだものであろう。
   要するに火(窯)だけが日本、火だけだ日本、火ばかりが日本、「火計り」
B  有名な「つくも茄子」という大名物の茶入
  「付藻」「作物」「江沢藻」「江浦草」「九十九」などの字をあてます。
   さて「九十九」をどのようにしたら「つくも」と読むのでしょう
  <答え>
   付藻茄子(つくもなす) 珠光が価九十九貫で入手したので、 伊勢物語」
   の「百年に一とせ足らぬ九十九髪我を恋ふらし面影に見ゆ」にちなむ。
   本能寺の変にあったが、秀吉の蔵となる。元和元年、大阪落城の時、
   家康の命により、藤重親子が焼け跡から探し出し、家康に献じた。
   後藤重に与えられ、 明治九年、岩崎弥之助の所有。
   「つくも」は「つぐも」「次百」の略 つまり「次ぎが百」、「次百(つぎもも)」、
   つくも=つくも、となる
C  利休時代に「吸い茶」という言葉がありました。
    さて「吸い茶」ってなんの事?
  <答え>
    吸茶」とは「濃茶の飲みまわし」の事 利休時代は「吸い茶」と言っていた
    「むかしハ独ニ一服つつの故(茶入れより茶を入れる回数は)ミすくい也
    (三掬い)。 利休よりはすい茶なる故に、猶定なし。」(草人木)
    九月二十八日秀長が開いた朝会(天正十四年)
    「茶ハ極ム。如何タフ<トスクヰ、四ツ五ツ入、湯一柄杓、スイ茶
     也。・・・」
D  茶事の時によく「初座は陰、後座は陽」という事を聞きます。
    「南方録」の墨引きにこの事が説明されています。 
  <答え>
    「南方録、墨引」
    数寄屋ニテ、初座・後座ノ趣向ノコト、休云、初ハ陰、後ハ陽、コレ大法
    ナリ、初座ニ床ハカケ物、釜ハ火相衰ヘ、窓ニ簾ヲ掛ケ、ヲノ<一座陰
    ノ體ナリ、主客トモニ其心アリ、後座ハ花ヲイケ、釜モワキタチ、簾ハズ
    シナド、皆陽ノ體ナリ、・ ・ ・タトヘバ欝ゝ(うつ)シキ天気ナドノ時、初座
    簾ヲハズシ、ツキ上ヲアゲ、花ヲイケナドスルコトアリ、サレドモ一向ニ
    陽トハ心得ベカラズ、火アイヲモッテ第一トスルユヘ、如此ノ躰ヲ陰中ノ
    陽ト云フベシ、此時トテモ後座ヲ陰ニスルト云コトハナシ、右火アヒニテ
    勘弁スベシ、・ ・ ・能ゝ分別スベキヨシノ玉ヒシニ、大林笑嶺モ一座ニテ
    聞玉ヒ、ゲニ<教外別伝ノ地位、大悟ノ茶ト云ベシト感心アリシナリ、
   
    初座は陰 後座は陽 此れは火相(ひあい)
    つまり火の具合で「初座は陰であり、後座は陽である」という事